寺カフェ法話


僧侶「三浦性曉」による、役に立つ法話。


『梅雨』~安居(あんご)~


間もなく、日本ではしとしと雨の降る梅雨の季節となります。また昨今は、昔とは違い豪雨を伴うこともしばしばで、外に出るのが億劫になるのは私だけではないでしょう。

お釈迦様の国インドでは、日本のように四季はなく、4月~9月の雨季(期)と10月~3月頃の乾季だけです。乾季は、ほとんど雨は降りませんが、雨季には、ゲリラ豪雨のような激しい雨が降り、野や町も水浸しになるほどの厳しいもので、慣れない日本人では旅行も難しいと言われています。私は、5回インドに行きましたが、いずれも乾季でした(雨季には行かない方が賢明です)。

さて、お釈迦様の当時(約2500年前)から、乾季には、僧侶はそれぞれの地域を行脚(あんぎゃ)しながら個々に布教伝道することが習わしで、これを「遊行(ゆぎょう)」と言います。一方雨季は、歩き回ることによる昆虫などの小動物に対する無用の殺生を防ぐ意味もあり、一定期間一か所で集団活動し、修行や勉学に励む期間でした。これを「安居」と言います。
もちろん、そこには立派な建物はなく、洞窟や雨をしのぐだけの簡素のものでしたが、後に寺院化していったとも言われています。

また、視点を変えると、安居は仏教徒(僧侶)にとって休息の期間と言っても良いと私は思っています。荒野をさまよい歩くような布教伝道の旅は、基本的には一人で行われ、時には仏教をそしる人びととも対峙しなければならない厳しいものでした。決して怠けるためのものではありませんが、安居の期間は、仏の教えに集う仲間と寝起きを共にし、共に食し、語り、思索する、安らぎのひと時であったと思われます。だからこそ、安居と訳されたのでしょう。

「晴耕雨読(せいこううどく)」(晴れた日には田畑を耕し、雨の日には家で読書すること。)という言葉がありますが、現代の多くの人びとはこのような気ままな生活は現実的には望めません。しかし、外で大きな働きをするためには、体力も気力もいります。そのためにも、体を休め、心をリラックスさせる必要があります。安居は、仏教徒にとって、まさに体調を整える休息の時であり、学びを深める充電の時であったのです。 私たちは、梅雨の時期でも働かなければなりませんが、もし休日が雨なら、ゆっくりと体も心も休めてはいかがでしょうか。明日からの活動のために!!

南無阿弥陀仏


三浦性曉プロフィール
僧侶となって40年、寺院住職23年の経験、また、布教使として30数年の全国での講演活動の実践と学びをもとに、都市開教に取り組んでいます。


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