寺カフェ法話


僧侶「三浦性曉」による、役に立つ法話。


『自然』~相即(そうそく)~


夏休み真最中、「自然」を求めて、海に出かける人、山へ行く人など、観光地は大賑わいのようです。自然が持つ魅力に、行く前からドキドキワクワクするのは私だけではないでしょう。

しかし、そこに自然だけがあるのではありません。例えば、日本三名瀑の一つ、中禅寺湖の畔にある高さ97メートルもの上から落ちる「華厳の滝(けごんのたき)」は、その迫力と言いまさに自然が作り出した絶景そのものです。
私が見たのは滝の下からで、滝の上の方が霧に隠れていましたが、渓谷の冷気と相まって、むしろ神秘的で荘厳な感じがしたくらいです。
滝の下に行くのに、100メートルを一気に下る「エレベーター」が用意されています。私もそれに乗せて頂き、滝の下から眺めることができました。
つまり、多種多様な人が作ったものを利用して自然を楽しんでいるのです。どこに行っても必ずある「展望台」も、その一つです。

一方、自然は、優しい表情で感動と癒しを与えるだけではありません。時には人の命まで奪い去る非情さを持っています。昨今の地震や豪雨による被害を考えると、単に自然を讃えることは出来ません。
だからこそ、人は自然と対峙しながらその征服を目指してきた歴史を持っています。しかし、その人間にも優しさと非情さはあります。行き過ぎると人の生存を脅かす自然破壊につながります。

「華厳の滝」の名の由来は、『華厳経』という経名からきていることは良く知られています。この経典は、親鸞さまの著作『教行信証』にも多く引用されています。
その根本思想を「相即」と言い、すべてのものが互いに他の全事物を含みこんで、一体として存在していると説き、仏さまの智慧の光は、いついかなる時も、生きとし生けるものすべてに至り届き、照らしていると説きます。
今、自然豊かな観光地のゆったりとした時の中で、自然と私と仏さまの存在を感じながら、「なんまんだぶ なんまんだぶ・・・」と称えてみてはどうでしょうか。

合掌


三浦性曉プロフィール
僧侶となって40年、寺院住職23年の経験、また、布教使として30数年の全国での講演活動の実践と学びをもとに、都市開教に取り組んでいます。


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