寺カフェ法話


僧侶「三浦性曉」による、役に立つ法話。


『金木犀(きんもくせい)』~薫習(くんじゅう)~


秋風の中、何かいい香りがするなと振り向くとオレンジ色の「金木犀」に出合う季節となりました。
金木犀だけでなく、バラや、ジャスミン、ラベンダーなど四季折々のいい香りの花はたくさんあります。いい香りは心を和ませホッとした気分にさせてくれます。そうしたことから「アロマセラピー」として、病気の治療や予防、心身の健康やストレス解消にも用いられています。

仏さまの世界にも、いろいろな花が咲き乱れ、その花は「微妙香潔(みみょうこうけつ」といつも気高く清らかな香りを漂わせているとあります。そしてその香りは、単にいい香りということではなく、仏さまの教えや願いとして身にしみていくのだそうです。
仏さまの教えは、毛穴からでも入ってくるとも言います。これを「薫習」と言います。

ところで、金木犀の時期が終わると、「柊(ひいらぎ)」の花が咲き始めます。この花は芳香が強く、その葉は、縁にトゲ状のギザギザがあり、不用意に触ると痛いほどです。名前の由来も、古語で「ずきずき痛む、うずく」と言う意味の「ひいらぐ」が転じて「ひいらぎ」となったようです。
面白いことに、この葉は、老木になるとギザギザが次第になくなり、丸くなるそうです。

私は、仏さまの教えを聞いている間は、なんとなくホッとし、丸くなったような気分にもなるのですが、その場を離れると元のもくあみです。私は、老いたとしても、ギザギザのトゲで人を傷つけることはなくならないと思いますが、それでも見捨てない仏さまのはたらきが身にしみていくのです。
私が清くなるのではなく、仏さまの清らかな願いが「南無阿弥陀仏」となってしみこんでくださるのです。
金木犀の香りで、仏さまの願いに気付かせて頂きました。

合掌


三浦性曉プロフィール
僧侶となって40年、寺院住職23年の経験、また、布教使として30数年の全国での講演活動の実践と学びをもとに、都市開教に取り組んでいます。


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