寺カフェ法話


僧侶「三浦性曉」による、役に立つ法話。


『食欲の秋』~味わう~


スポーツの秋、読書の秋、芸術の秋、そして食欲の秋。皆さまは、どの秋を満喫したのでしょうか。
中でも「食欲の秋」と言われる所以は、元々「実りの秋」とも言われ、秋に収穫を迎えるものが多く、いろいろな果実や野菜など美味しいものが多くとれるからだそうです。新米、柿、栗、松茸、秋刀魚(さんま)などなど。だからこそ、「味覚の秋」とも言われています。

この味覚には、「甘味(あまい)」、「塩味(からい)」、「酸味(すっぱい)」、「苦味(にがい)」、「旨味(うまみ)」の5つがあり、基本味とされています。ちなみに、私が学校で習った頃は、「旨味」はなく、「あまい・からい・すっぱい・にがい」を味の4大要素と言っていました。

人それぞれ好みがあり、「甘党」もいれば「辛党」もいます。また「すっぱい」もの、「にがい」ものが好きな人もいます。しかし、甘いものだけ食べるわけにもいかず、辛いものだけというわけにはいきません。
また、甘いスイカに塩をかけて食べると一層甘く感じるように、それどれが混ざり合うことによって美味しくなることもあります。つまり、味は、どれも捨てることが出来ないということではないでしょうか。これが「味わう」ということです。

人生にも、甘い幸せの時もあれば、苦汁をなめる辛い時もあります。また、口をとんがらせなければならない酸っぱい時もあれば、奥歯で苦味を噛みしめる時もあります。楽しい時だけを求めるのが私たちの常ですが、避けて通れない苦しい時もあります。でも、そのどれも捨てることが出来ないものとして噛みしめる時、何一つ捨てるものは無かったと味わうことが出来るのです。
人生、何も捨てるものはなかったと噛みしめ味わうことの大切さを教えてくださるのも「南無阿弥陀仏」のみ教えです。

合掌


三浦性曉プロフィール
僧侶となって40年、寺院住職23年の経験、また、布教使として30数年の全国での講演活動の実践と学びをもとに、都市開教に取り組んでいます。


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