※東弘寺 本堂

親鸞聖人 二十四輩


僧侶「安静至邦」による、二十四輩のお寺巡り。


第九番~善性房の東弘寺~


真宗大谷派 東弘寺
創建年代:1250年
場所:茨城県常総市大房93
アクセス:常総線南石下駅より徒歩5分


~東弘寺と鬼怒川の水害~


今回は、善性房の東弘寺に訪れました。
場所は、茨城県常総市の大房という場所です。関東鉄道常総線の南石下駅から徒歩5分のところにお寺はありました。当日はまたもや、大雨に見舞われた私でしたが、お寺が駅からすぐのところでしたので、大変助かりました。
常総市を訪れて、大雨と聞くと、思い出すのがこの東弘寺のすぐ近くを流れる鬼怒川です。この鬼怒川は、2015年9月10日に台風18号の影響により、堤防が決壊し、大きな被害がありました。

今回足を運んだ東弘寺は、まさにその決壊した地点から200m程しか離れていないお寺でした。
お寺への道中、比較的新しい家々が立ち並んでいましたが、その様な家屋の多くは水害の被害を受け、新しく建てなおされた家のようです。東弘寺の方に当時のお話を聞かせて頂きますと、その被害の大きさが改めて分かりました。


※右:鐘楼、中央:石碑、奥:本堂

本堂の正面の山門を通り、境内に入ると立派な鐘楼、そして「二十四輩」の石碑が目に留まりましたが、床の上がった本堂を残し、ほとんどが氾濫した河川の水に浸かったそうです。
周りの家々も例外ではなく、東弘寺を含めその地域一帯がその水害に遭われ、お寺の御門徒方も多大な被害がでたそうです。
被災後すぐには、なかなか復興はできませんが、少しづつ地域の方々と協力しながら街並みを取り戻しつつあるそうです。
何が起こるか分からない世の中だからこそ、人と人とのつながり、他の方への思いやりの心を大切にしていかなければいけないのだと、東弘寺に訪れて感じました。


~天皇の御子息 善性房~



※東弘寺 内陣

実際に、東弘寺の本堂にあがらせていただきますと、少し前に落慶(本堂の改築工事)が終わったばかりだそうで、外陣・内陣ともにとても綺麗な堂内でした。
そして、たまたま私が訪れた日が、報恩講といわれる法要の直前で、平常のお荘厳とは異なり、水引(みずひき)や打敷(うちひき)といったお飾りで美しく飾られていました。

この東弘寺の開基である善性房というお坊さんは、なんと後鳥羽天皇の御子息でありました。後鳥羽天皇の第三子にあたる但馬宮正懐親王という方が、このお寺の開基であると伝えられています。
そして、私がまた驚いたのは、この後鳥羽天皇とは、承元の法難と言われる念仏者への弾圧によって、親鸞聖人や浄土宗の法然上人を流罪に処した人物だったからです。念仏者を弾圧された方の御子息が出家をされ、仏道を歩むなかで親鸞聖人と出遇い、お念仏の教えを共に伝えられていたのは、とても不思議なご縁だと感じました。


※善性房坐像が安置されている開基堂

善性房の功績を讃え、後世に残すため、本堂横に善性房の坐像が納められている開基堂があります。本堂の後に、お参りさせていただきました。

お寺と、その地域の人々が共に生きる在り様を、東弘寺で教えていただきました。さまざまな歴史の中で、さまざまな縁に遇いながら、悲しみも喜びも分かちながら在り続けるお寺の姿を見聞きしてきました。


Prior Messages








寺カフェ僧侶達の法話





寺カフェ[常設]イベント





寺カフェ[恒例]イベント






PAGE TOP